銀行業務検定試験「相続アドバイザー3級」とは(公開試験・CBT共通)、相続に関する基礎知識を体系的に学び、金融実務の現場で適切な初期対応や基本的な顧客説明ができる力を養うことを目的とした資格です。
相続の全体像、相続開始時の手続き、相続人・相続財産の考え方、遺言の基礎、相続税の概要など、相続業務に携わるうえで最低限押さえておくべき知識を幅広くカバーしています。
金融機関の窓口や渉外担当者をはじめ、保険・不動産・士業補助業務など、相続に関わる基礎力を身につけたい方に適した入門レベルの検定試験です。
公開試験(会場受験)の特徴
公開試験は、全国の指定会場で年に数回実施される、従来型の筆記試験です。
決められた試験日に一斉に受験する形式で、計画的に学習スケジュールを立てやすい点が特徴です。
また、公開試験は「試験日=目標」として学習のペースを作りやすく、研修や社内資格制度の一環としても多く利用されています。
公式テキストと過去問題を中心に学習すれば、初学者でも十分に合格を目指せる内容となっています。
CBT試験(コンピュータ試験)の特徴
CBT試験は、全国のテストセンターでコンピュータを使用して受験する方式です。
受験日を自分で選択できるため、繁忙期を避けたい方や、短期間で合格したい方に適しています。
試験内容や難易度は公開試験と同等であり、相続アドバイザー3級として求められる基礎知識に違いはありません。
学習が仕上がったタイミングで受験できる点が、CBT方式の大きなメリットです。
相続アドバイザー3級が目指す役割
相続アドバイザー3級は、専門家としての判断を行う資格ではなく、相続に関する「基本的な説明」「一次対応」「適切な専門家への取次ぎ」ができる人材の育成を目的としています。
相続業務の入り口として位置づけられる資格であり、2級以上のステップアップや、実務理解の土台づくりにも最適です。
公開試験の概要
| 出題形式 | 四答択一式 <一部事例付> 50問(各2点) |
|---|---|
| 科目構成 | 相続の基礎知識 20問 相続と金融実務 15問 その他周辺知識 5問 事例 5事例10問 |
| 合格基準 | 満点の60%以上 (試験委員会にて最終決定) |
| 試験時間 | 120分。 終了前10分間は退席禁止 |
| 持込品 | 受験票 HBの鉛筆 消しゴム 電卓(1台のみ使用可。ただし、 金融計算電卓、関数・ メモ機能付きは不可) ※CBTに筆記用具や電卓の 持ち込みは無くPC内の 電卓を使用する。 |
CBT
| 試験名 | CBT相続アドバイザー3級 |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし |
| 再受験 | 何回でも受験予約可能 |
| 出題形式 | CBT四答択一式50問 120分 |
| 試験科目 | (1)基礎知識 相続の基礎知識 20問 相続と金融実務 15問 その他周辺知識 5問 (2)技能・応用 5事例10問 |
| 申込み | 4月下旬~翌年3月下旬 |
| 試験日 | 6月上旬~翌年3月下旬 |
| 会場 | 全国の共通会場にて実施 各会場ごとのスケジュールは 受験者マイページより確認。 |
| 申込方法 | <個人申込> インターネット受付のみ 申込日より3日目以降の予約が可能 <団体申込> 経済法令研究会 CBT試験担当 電話:03-3267-4821までお問合せ。 |
| 受験票 | 受験票の発送はありません。 予約完了時の確認メールに試験日程・会場のご案内、 および注意事項を明記しておりますので、必ずご確認ください。 |
| 当日 | 持ち物本人確認書類 ※電卓持ち込み不可、 計算は画面上にて利用可能です。 ※スマートフォン等不可 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上 |
| 合格発表 | 即時判定。 試験終了後に、全受験者に スコアレポート・ 出題項目一覧が配布されます。 受験日の翌日以降、 合格者はマイページから 合格証書をダウンロード。 ①こちらよりマイページにログイン ②【CBT申込】をクリック ③申し込んだ試験の【申込・ |
| 試験後の手続 | なし |
CBTは公開試験に比較し、PC画面での解答になり、電卓はPC上で計算します。
合格率と難易度
銀行業務検定、2017年3月から2025年10月において相続アドバイザー3級の合格率は24.75%から47.42%で難易度は偏差値表示で43が目安です。
| 試験日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 (第162回) | 1,517 | 542 | 35.73% |
| 2025年3月 (第160回) | 1,544 | 512 | 33.16% |
| 2024年10月 (第159回) | 1,572 | 550 | 34.99% |
| 2024年3月 (第157回) | 2,025 | 729 | 36.00% |
| 2023年10月 (第156回) | 2,269 | 634 | 27.94% |
| 2023年3月 (第154回) | 2,678 | 1,109 | 41.41% |
| 2022年10月 (第153回) | 2,855 | 1,120 | 39.23% |
| 2022年3月 (第151回) | 3,702 | 1,377 | 37.20% |
| 2021年10月 (第150回) | 4,037 | 1,552 | 38.44% |
| 2021年3月 (第148回) | 5,054 | 1,908 | 37.75% |
| 2020年10月 (第147回) | 6,769 | 3,210 | 47.42% |
| 2020年3月 (第145回) | 中止 | – | – |
| 2019年10月 (第144回) | 5,247 | 2,055 | 39.17% |
| 2019年3月 (第142回) | 6,454 | 2,728 | 42.27% |
| 2018年10月 (第141回) | 6,542 | 1,619 | 24.75% |
| 2018年3月 (第139回) | 7,473 | 2,924 | 39.13% |
| 2017年10月 (第138回) | 6,353 | 2,929 | 46.10% |
公開試験とCBTの申し込み
銀行業務検定試験の日程、試験日、試験時間は銀行業務検定協会の母体(株)経済法令研究会のサイトにて、常にアップデートされていますので、下記リンクより参照ください。
経済法令研究会より
株式会社CBT-Solutionsより
お問い合わせは
銀行業務検定協会
(経済法令研究会 検定試験運営センター)
〒162-8464 東京都新宿区市谷本村町3-21
電話 03-3267-4821
月~金(祝日除く)10:00~15:00
FAX 03-3267-4999
勉強方法
銀行業務検定「相続アドバイザー3級」の短期合格(1~2週間想定)向け勉強方法です。
公開試験・CBTどちらにも共通で使える実践型の学習手順にしています。
【前提】
- 相続分野は暗記中心。計算は少なく、理解より「用語・流れ」の定着が重要
- 満点を狙う必要はなく、頻出論点の取りこぼし防止が合格のカギ
- テキスト+問題演習の反復が最短ルート
① 学習全体像(最短合格の型)
結論:
「テキストざっと → 問題演習反復 → 間違い箇所だけ復習」
この流れを短期間で回すのが最も効率的です。
② Step1:テキストは「読む」のではなく「流れをつかむ」(1~2日)
ポイント
- 最初から細かく覚えようとしない
- 相続の全体像(時系列)を意識して読む
意識する流れ
- 相続開始(死亡)
- 相続人の確定
- 相続財産の把握
- 遺言の有無
- 相続方法(単純・限定・放棄)
- 相続税の概要
- 実務での初期対応
☆ 「今どの場面の話か」を常に意識するだけで、理解度が一気に上がります。
③ Step2:問題演習を最優先(学習の7割)(5~7日)
なぜ問題演習が重要か
- 相続アドバイザー3級は
「どこが問われるか」=ほぼ決まっている - 問題を解くことで
・出題パターン
・ ひっかけポイント
・ 覚えるべき数字・用語
が自然に分かる
問題演習のやり方(重要)
✔ 正解しても解説を読む
✔ 間違えた問題に印をつける
✔ 2周目・3周目は「間違えた問題だけ」
④ Step3:頻出論点だけを重点暗記(3~4日)
必ず押さえるべき分野
- 相続人の範囲・順位
- 法定相続分
- 代襲相続
- 相続放棄・限定承認
- 遺言の種類と要件
- 相続財産・非課税財産
- 相続税の基礎(配偶者の税額軽減など)
- 金融機関の初期対応・留意点
☆ 細かい計算より「用語×意味」
⑤ 直前期の仕上げ(試験前2~3日)
やることは3つだけ
- 間違えた問題の再確認
- 数字・用語の最終暗記
- 「〇×で迷う論点」を潰す
やらなくていいこと
✖ 新しい教材に手を出す
✖ 細かすぎる条文暗記
✖ 完璧主義
⑥ CBT受験者向けワンポイント
- 制限時間に余裕はある
- 迷ったら即マークして次へ
- 最後に見直す時間を確保
- 用語問題は直感を信じる(考えすぎない)
⑦ 合格者の共通点(超重要)
✔ テキストにこだわらない
✔ 問題演習中心
✔ 7~8割理解で割り切る
✔ 「頻出論点だけは落とさない」
まとめ(短期合格の鉄則)
「全部やる」ではなく
「出るところだけ落とさない」
相続アドバイザー3級は、
正しい勉強順序を取れば短期間でも十分合格可能な試験です。
出題頻度が高い重要論点チェックリスト
以下は 銀行業務検定「相続アドバイザー3級」の出題頻度が高い重要論点チェックリストです。
① 相続の基礎・全体像【最重要】
- ☐ 相続開始の時期(被相続人の死亡)
- ☐ 相続開始後の基本的な流れ(時系列)
- ☐ 相続手続きの大まかなスケジュール感
- ☐ 金融機関における相続対応の位置づけ
② 相続人の範囲・順位【最重要】
- ☐ 法定相続人とは何か
- ☐ 配偶者は常に相続人になる
- ☐ 第1順位:子
- ☐ 第2順位:直系尊属(父母・祖父母)
- ☐ 第3順位:兄弟姉妹
- ☐ 同順位相続人が複数いる場合の考え方
③ 法定相続分【超頻出】
- ☐ 配偶者+子の法定相続分
- ☐ 配偶者+直系尊属の法定相続分
- ☐ 配偶者+兄弟姉妹の法定相続分
- ☐ 子のみ、兄弟姉妹のみの場合の相続分
- ☐ 同順位が複数人いる場合の分け方
④ 代襲相続【超頻出・ひっかけ注意】
- ☐ 代襲相続が発生する条件
- ☐ 代襲相続が認められる範囲
- ☐ 子の代襲(孫)
- ☐ 兄弟姉妹の代襲(甥・姪は一代限り)
- ☐ 直系尊属に代襲相続がない理由
⑤ 相続の承認・放棄【頻出】
- ☐ 単純承認とは
- ☐ 限定承認とは
- ☐ 相続放棄とは
- ☐ 熟慮期間(原則3か月)
- ☐ 相続放棄・限定承認の申述先
- ☐ 一部だけ放棄できないこと
⑥ 遺言の基礎【超頻出】
- ☐ 遺言の効力発生時期
- ☐ 遺言がある場合の相続の優先順位
- ☐ 自筆証書遺言の要件
- ☐ 公正証書遺言の特徴
- ☐ 秘密証書遺言の概要
- ☐ 遺言執行者の役割
⑦ 相続財産の範囲【頻出】
- ☐ 相続財産に含まれるもの
- ☐ 相続財産に含まれないもの
- ☐ みなし相続財産の考え方
- ☐ 非課税財産の代表例
- ☐ 金融資産(預金・有価証券)の扱い
⑧ 相続税の基礎知識【頻出・計算は軽め】
- ☐ 相続税がかかるかどうかの判断
- ☐ 基礎控除の考え方
- ☐ 相続税の申告期限(原則10か月)
- ☐ 配偶者の税額軽減の概要
- ☐ 未成年者控除・障害者控除(概要)
⑨ 金融機関の実務対応【実務系頻出】
- ☐ 死亡連絡後の口座取引停止
- ☐ 払戻し・解約時の基本書類
- ☐ 相続人全員の同意が必要な場面
- ☐ トラブル防止のための留意点
- ☐ 専門家(税理士・司法書士等)への取次ぎ
⑩ よく出る数字・期限【直前暗記】
- ☐ 熟慮期間:3か月
- ☐ 相続税申告期限:10か月
- ☐ 兄弟姉妹の代襲は一代限り
- ☐ 配偶者は常に相続人
上記チェックリストの使い方
- ✔が8割以上 → 合格圏
- △が多い項目 → 問題演習に戻る
- ✖がある項目 → テキスト該当箇所を即確認
最後に(重要)
相続アドバイザー3級は
「難しい論点」より
「基本論点の取りこぼし」で落ちる試験です。
このチェックリストを
試験前日・当日朝に一通り確認できれば、合格ラインはほぼ確実です。
試験当日に見る【A4・1枚 要点まとめ】
① 相続の基本
- 相続開始:被相続人の死亡時
- 相続の流れ:死亡 → 相続人確定 → 財産把握 → 遺言確認 → 承認/放棄 → 分割 → 税務
② 相続人の順位【最重要】
- 配偶者:常に相続人
- 第1順位:子
- 第2順位:直系尊属(父母・祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹
③ 法定相続分【暗記】
- 配偶者+子:1/2・1/2
- 配偶者+直系尊属:2/3・1/3
- 配偶者+兄弟姉妹:3/4・1/4
- 同順位が複数:均等分割
④ 代襲相続【頻出】
- 子が死亡等 → 孫が代襲
- 兄弟姉妹 → 甥・姪まで(1代限り)
- 直系尊属に代襲なし
⑤ 相続の承認・放棄
- 単純承認:全部引き継ぐ
- 限定承認:プラスの範囲でマイナスも承継
- 相続放棄:一切承継しない
- 熟慮期間:原則 3か月(家庭裁判所)
⑥ 遺言【最重要】
- 遺言が最優先(法定相続より優先)
- 自筆証書:全文自書・日付・署名押印
- 公正証書:最も安全・確実
- 遺言執行者:遺言内容の実行役
⑦ 相続財産
- 含まれる:預貯金・不動産・有価証券
- 含まれない:一身専属権
- 非課税財産:墓地・仏具など
⑧ 相続税の基礎
- 基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人
- 申告期限:原則 10か月
- 配偶者の税額軽減:大きな減税
⑨ 金融機関の実務対応
- 死亡連絡 → 口座取引停止
- 払戻し:原則 相続人全員の同意
- 判断に迷う → 専門家へ取次ぎ
⑩ 直前チェック
- 配偶者は常に相続人
- 法定相続分3パターン
- 代襲はどこまで?
- 3か月/10か月
- 遺言が最優先
迷ったら「基本・原則」を選ぶ
深追いしない → 次の問題へ
以上 「試験当日に見るA4・1枚要点まとめ(相続アドバイザー3級)」 を
- 印刷して当日朝に見る
- CBT会場に向かう直前の最終確認
- 試験中に迷ったときの“原則思考”の整理
にそのまま使える内容です。
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