一般社団法人 金融財政事情研究会が主催する金融業務3級 財務コースは、企業財務の基礎知識を体系的に学び、実務で使える「数字の読み解き力」を身につけることを目的とした検定試験です。
貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった財務諸表の基本構造から、収益性・安全性・成長性を測る各種財務指標、資金繰りやキャッシュ・フローの考え方まで、金融実務に直結する内容が幅広く出題されます。
特に、融資審査や企業分析、法人営業に携わる金融機関職員にとっては、決算書を正しく理解し、取引先の経営状況を把握するための土台となる知識を確認・定着させるのに最適な資格です。
また、財務・会計の基礎を体系的に学びたい若手社員や、これから法人取引業務に関わる予定の方にとっても、無理なくステップアップできる入門レベルとして位置づけられています。
金融業務3級 財務コースは、単なる暗記にとどまらず、「実務でどのように財務情報を読み、判断につなげるか」という視点を重視している点が特長です。
財務の基礎力を固めたい方、金融実務に強くなりたい方におすすめの検定試験といえるでしょう。
試験概要
| 試験の対象者 | 若手行職員 ※受験資格は特にありません。 |
|---|---|
| 試験範囲 | 1.財務諸表 2.会計制度 3.財務分析 4.資金分析・企業実態の把握 |
| 試験時間 | 100分 |
| 出題形式 | 四答択一式50問 |
| 合格基準 | 100点満点で60点以上 |
| 当日について | 持ち物本人確認書類 集合時刻必ず確認ください。 ■筆記用具・メモ用紙 ・会場にて筆記用具とメモ用紙を受け取る。 ・筆記用具とメモ用紙は試験終了後に回収。 |
| 合格発表 | 試験終了後、その場で合否に係る スコアレポートが手交される。 合格者は、試験日の翌日以降、合格証を マイページからPDF形式で出力できます。 |
| 持込み品 | 携帯電話、筆記用具、計算機、書籍を含め、 自席への私物の持込みは不可。 テストセンター鍵付きのロッカー等に保管。 メモ用紙・筆記用具はテストセンターで貸し出し。 計算問題は、試験画面上に表示される電卓を利用。 |
| 対応教材 | (PR) 楽天Books:金融業務3級 財務コース試験問題集 Amazon:金融業務3級 財務コース試験問題集 |
| 試験日 | 通年実施 |
| 受験予約 | ※マイページより、自身で希望の日程・ テストセンターを予約。 ※受験の手順については公式CBTサイトの 「受験までの流れ」を参照。 ※予約が完了すると予約内容が記載された メールが送られます。受験票は発行しないが、 受験日の前日に確認メール受信。また、 マイページから予約状況の確認ができる。 受験日当日は、指定の本人確認書類が必要です。 ※とりまとめ担当者は、団体管理画面で 行職員の申込状況を確認できます。 ※受験の予約・変更・キャンセルは、 マイページより受験日の3日前まで可。 ※受験日の2日前からは、受験予約の変更・ キャンセルは、返金等は無い。 ※受験料が受験者支払の場合、受験申込後の キャンセルに係る払戻しについては、 所定のキャンセル料あり ※受験申込された方の受験可能期間 (受験申込日の3日目以降の受験できる期間)は、 当初受験申込日から最長で1年間まで。 |
受験料・支払い方法
| 受験料(税込) | 5,500円 |
|---|---|
| 支払方法 | 以下3通りから選択。 なお、コンビニエンスストア決済および Pay-easy決済の場合は、受験手数料に加えて、 事務手数料297円(税込)の負担あり。 ・クレジットカード決済 ・コンビニエンスストア決済 ・Pay-easy決済 (Pay-easy:ゆうちょ銀行ATM ・ゆうちょダイレクト、 銀行などのATMやネットバンキング) |
問合せ先
| 主催 問合せ先 | 【試験のお申込み・受験についてのお問合せ先 ※受験者(個人・団体個人)】 受験サポートセンター TEL:03-5209-0553 ※電話は応対品質向上のため、録音あり。 受験に関する問い合わせ 【試験内容についてのお問合せ先 ※法人のご担当者(とりまとめご担当者)】 一般社団法人 金融財政事情研究会 検定センター 〒160-8529 東京都新宿区荒木町2-3 TEL:03-3358-0771 ※電話は応対品質向上のため、録音あり。 |
|---|
申し込み・試験日・試験会場
通年実施。受験者自身が予約した日時・テストセンターをCBT-Solutionsウェブサイト経由で申し込み受験する方式です。
受験予約は受験希望日の3日前まで可能ですが、テストセンターにより予約可能な状況は異なります。
CBT-Solutionsウェブサイト
試験の流れとCBT申し込み
CBT-Solutionsウェブサイト
合格率と難易度

合格率と難易度
金融業務3級 財務コースの合格率と難易度に関し、試験は即結果が出るCBT方式を採用しており、合格率は公表されておりませんが、想定の合格率として53%前後、公式サイト表示の難易度はレベル3,偏差値表示で48です。
金融業務3級 財務コースは、「基礎を理解すれば合格しやすいが、理解なしでは点が伸びない」試験です。財務の基礎力を身につけたい方や、融資・企業分析の土台作りをしたい方にとって、最適な試験です。
勉強方法と勉強時間(短期合格向け)

勉強方法と勉強時間
① まずは試験範囲を全体把握(1日)
最初に関連書籍をざっと確認し、「どんな論点が出る試験か」を把握します。
特に次の分野は毎回のように出題されるため、最初から意識しておきましょう。
- 財務諸表の基本構造(B/S・P/L・C/F)
- 主要な財務指標(収益性・安全性・効率性)
- 資金繰り・キャッシュフローの考え方
※この段階では細かい暗記は不要です。
② 問題解説文+図表で理解重視(3〜5日)
財務コースは「丸暗記」では点が伸びにくく、仕組み理解が重要です。
勉強のポイント
- 数式は「意味」を理解する
(例:自己資本比率=なぜ高いほど安全なのか) - B/S・P/Lは左右・上下のつながりを意識する
- キャッシュフローは「利益との違い」を言葉で説明できるようにする
数字を追いすぎず、図で理解 → 文章で説明できる状態を目指します。
③ 過去問・問題集を最優先で回す(5〜7日)
財務3級は過去問の類似出題が多いため、ここが合否を分けます。
効果的なやり方
- 1周目:答えを見ながら解く(理解重視)
- 2周目:時間を意識して解く
- 3周目:間違えた問題だけを集中的に復習
特に
- 財務指標の計算問題
- 指標の意味を問う選択肢問題
は「なぜその答えになるか」を必ず確認します。
④ 間違えノート(弱点リスト)を作る
合格者に共通するのが、間違えた論点だけを潰す勉強です。
- 計算式を間違えた理由
- 指標の意味を取り違えた点
- 用語の混同(流動/固定、営業/経常 など)
A4・1〜2枚にまとめ、試験直前まで繰り返し見直します。
⑤ 試験直前は「暗記より確認」
直前期は新しいことに手を出さず、
- 財務指標の一覧
- B/S・P/L・C/Fの基本構造
- よく出る用語の定義
だけを最終確認します。
計算スピードよりも、ミスをしない正確さを意識しましょう。
勉強時間の目安
- 財務・会計が初めての方:20〜30時間
- 簿記3級レベルの知識がある方:10〜15時間
まとめ(合格のコツ)
- 仕組み理解 → 過去問反復が最短ルート
- 財務指標は「計算+意味」をセットで覚える
- 間違えた論点だけを徹底的に潰す
出題頻度が高い重要論点チェックリスト

チェックリスト!
Ⅰ.財務諸表の基本構造【最重要】
□ 貸借対照表(B/S)の構造(資産・負債・純資産)
□ 流動資産・固定資産・繰延資産の区分
□ 流動負債・固定負債の違い
□ 純資産の内訳(資本金・資本剰余金・利益剰余金)
□ 損益計算書(P/L)の構造(売上高→利益の流れ)
□ 売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益の違い
□ 財務三表(B/S・P/L・C/F)の相互関係
Ⅱ.キャッシュ・フロー計算書【高頻出】
□ 営業活動によるキャッシュ・フローの内容
□ 投資活動によるキャッシュ・フローの内容
□ 財務活動によるキャッシュ・フローの内容
□ 利益とキャッシュフローの違い
□ 減価償却費がキャッシュフローに与える影響
□ フリー・キャッシュ・フローの考え方
Ⅲ.収益性分析(利益を稼ぐ力)【最重要】
□ 売上高総利益率
□ 売上高営業利益率
□ 売上高経常利益率
□ 総資産利益率(ROA)
□ 自己資本利益率(ROE)
□ 収益性指標が高い/低い場合の企業評価
Ⅳ.安全性分析(倒産しにくさ)【最重要】
□ 流動比率
□ 当座比率
□ 固定比率
□ 固定長期適合率
□ 自己資本比率
□ 安全性指標の目安水準と評価の考え方
Ⅴ.効率性・活動性分析【頻出】
□ 総資産回転率
□ 売上債権回転率
□ 棚卸資産回転率
□ 回転率と回転期間の関係
□ 効率性が高い/低い企業の特徴
Ⅵ.成長性分析【頻出】
□ 売上高成長率
□ 経常利益成長率
□ 総資産成長率
□ 成長性と収益性・安全性の関係
Ⅶ.資金繰り・運転資金【重要】
□ 運転資金の考え方
□ 売上債権・棚卸資産・仕入債務の関係
□ 資金繰りが悪化する典型パターン
□ 黒字倒産の仕組み
Ⅷ.減価償却・引当金【頻出】
□ 減価償却の目的と仕組み
□ 定額法・定率法の違い
□ 引当金の意味と代表例
□ 費用計上とキャッシュアウトの違い
Ⅸ.企業分析の基本視点【実務重視】
□ 単年度分析と時系列分析の違い
□ 同業他社比較の考え方
□ 財務指標を組み合わせた総合判断
□ 財務分析結果から読み取れる経営課題
使い方
- □がすべて説明できれば合格圏
- 数式は「意味」を言葉で説明できるか確認
- 過去問で間違えた項目に★印を付けて重点復習
試験当日に見るA4紙・1枚に要点まとめ

試験日前日に以下をA4紙・1枚に印刷
試験日に持参して確認してください。
以下は、金融業務3級 財務コース「試験当日に見るA4紙・1枚要点まとめ」です。
※直前確認専用として、暗記・計算・判断ポイントのみを厳選しています。
① 財務三表の超重要ポイント
貸借対照表(B/S)
- 資産=負債+純資産
- 流動資産:1年以内に現金化
- 固定資産:1年超使用
- 純資産:返済不要(自己資本)
損益計算書(P/L)
- 売上高
→ 売上総利益
→ 営業利益
→ 経常利益
→ 当期純利益
キャッシュ・フロー計算書(C/F)
- 営業CF:本業の現金創出力
- 投資CF:設備・有価証券
- 財務CF:借入・返済・配当
② 利益とキャッシュの違い【頻出】
- 利益=発生主義
- キャッシュ=現金主義
- 減価償却費:費用だが現金流出なし
- 黒字倒産:利益あり+資金不足
③ 収益性指標(稼ぐ力)
- 売上高総利益率=売上総利益/売上高
- 売上高営業利益率=営業利益/売上高
- ROA=利益/総資産
- ROE=利益/自己資本
→ 高いほど良い
④ 安全性指標(倒産しにくさ)
- 流動比率=流動資産/流動負債(目安:200%)
- 当座比率=当座資産/流動負債(100%以上)
- 固定比率=固定資産/自己資本
- 固定長期適合率=固定資産/(自己資本+固定負債)
- 自己資本比率=自己資本/総資産
→ 低すぎ・高すぎ注意(バランス重視)
⑤ 効率性・活動性指標
- 総資産回転率=売上高/総資産
- 売上債権回転率=売上高/売上債権
- 棚卸資産回転率=売上原価/棚卸資産
- 回転率↑=資金効率◎
⑥ 成長性指標
- 売上高成長率
- 利益成長率
- 総資産成長率
→ 単年度+時系列で判断
⑦ 資金繰り・運転資金
- 運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務
- 売上増加=資金不足になりやすい
- 在庫増・回収遅延=資金悪化
⑧ 減価償却・引当金
- 定額法:毎期一定
- 定率法:初期多く後半少
- 引当金:将来の費用・損失に備える
⑨ 試験直前チェック
□ 指標の意味を説明できる
□ 分子・分母を取り違えない
□ 「高い=良い/低い=悪い」を即判断
□ 計算ミス防止(%・単位)
合格者への最終アドバイス
公式サイトの案内で「3カ月マスター財務コース」という講座はあったのですが、忙しい金融マンにここではあえて勉強時間として
初心者:20〜30時間
簿記3級レベルの知識がある方:10〜15時間
1週間前後という設定にしています。
多数の過去問を反復し、その反復時は満点を目指し、初見の問題集では常に合格点を取ってください。
最後に
- 迷ったら意味で選ぶ
- 数字より「なぜそうなるか」
- 1問に時間をかけすぎない
テキスト・過去問・問題集(PR)
市販のテキストはありませんので、問題集の解説文が重要です。
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