航空特殊無線技士。合格率/難易度・試験日と過去問

国家資格

航空特殊無線技士は、電波法に基づく無線従事者国家資格の一つであり、航空分野の無線設備を操作するために必要となる資格です。国家資格の中では業務独占資格として位置付けられており、資格を有しない者が対象となる無線設備の操作を行うことはできません。国家試験は総務大臣の指定試験機関である公益財団法人日本無線協会が実施しています。

航空特殊無線技士は、航空機や航空関連施設における無線通信を行うための資格であり、航空運送事業以外の航空機に使用する国内通信用無線設備の操作、および航空交通管制以外の航空局における国内通信用無線設備の操作を行うことができる資格です。航空無線通信は航空機の運航や航空業務の安全性と密接に関係するため、無線設備の操作には電波法に基づく無線従事者資格が必要になります。

航空特殊無線技士資格の活用分野としては、小型飛行機(国内)や自家用航空機、ヘリコプターの運航に関わる無線通信のほか、航空測量や航空報道などの航空業務での無線機操作などがあります。また、航空関連業務において無線通信を行う場面でも利用される資格です。

航空特殊無線技士の国家試験は、日本無線協会が実施する無線従事者国家試験として行われており、無線工学および法規を中心とした選択式試験で構成されています。

本記事では、日本無線協会が公開している国家試験案内および関連資料を一次情報として確認したうえで、航空特殊無線技士について次の内容を整理します。

  • 航空特殊無線技士の試験制度
  • 試験日(実施日程)
  • 合格率の傾向
  • 試験難易度
  • 過去問を使った試験対策

航空特殊無線技士の試験制度や難易度は、他の無線従事者資格と比較して説明されることも多い資格です。本記事では公式資料に基づき、試験制度の構造、合格率の傾向、試験の難易度を整理しながら航空特殊無線技士資格の実態を確認していきます。

試験概要|航空特殊無線技士

申込
期間
インターネット申請・郵送申請。
試験月の前々月1日頃~20日頃
試験日航空特殊無線技士の試験日は年3回
2月期・6月期・10月期
試験地札幌・仙台・東京・長野・金沢・
名古屋・大阪・広島・松山・熊本・
那覇
受験資格制限なし
(年齢・学歴・実務経験不問)
出題形式
時間
科目内容
無線工学:多肢選択式
 12問/約60分
法規:多肢選択式12問/約60分
電気通信術:電話送話・電話受話
(フォネティックコード等による
 通信操作)各約2分
合格基準無線工学:60点満点中40点以上
法規:60点満点中40点以上
電気通信術:
送話100点満点中80点以上
受話100点満点中80点以上
科目合格科目合格制度あり
・試験の行われた月の翌月の
 初めから起算して3年以内
・申請ベース
免除科目
条件
無線従事者規則第8条第1項に
基づき、一定の無線従事者資格
を有する者が他の無線従事者資格の
国家試験を受験する場合、申請に
より一部試験科目の免除制度あり。
また、公益財団法人 日本無線協会
などが実施する養成課程を修了し
修了試験に合格した場合は、
国家試験を受験することなく
当該資格を取得できる。

科目免除制度
 無線従事者規則第8条第1項
(上位資格等による一部科目免除)
養成課程制度
 養成課程修了+修了試験合格 →
国家試験を受験せず資格取得
受験料6,400円
合格発表公益財団法人 日本無線協会が、
試験日から約3週間後に
公式サイトで合格者の受験番号を
公表するとともに、受験者へ
結果通知書を郵送
(令和7年度実績)
テキスト
過去問
問題集
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主催者公益財団法人 日本無線協会
https://www.nichimu.or.jp/
TEL 03-3533-6022

北海道支部 011-271-6060
東北支部 022-265-0575
信越支部 026-234-1377
北陸支部 0762-22-7121
東海支部 052-951-2589
近畿支部 06-6942-0420
中国支部 082-227-5253
四国支部 089-946-4431
九州支部 096-356-7902
沖縄支部 098-840-1816
試験概要|航空特殊無線技士

合格率

平成30年度から令和6年度までの期間、航空特殊無線技士試験の合格率は76.3%から81.7%で想定される難易度は偏差値表示で43です。

航空特殊受験者数合格者数合格率
令和6年度
2024年
1,17796281.7%
令和5年度
2023年
1,22696778.9%
令和4年度
2022年
1,4101,09877.9%
令和3年度
2021年
1,4621,17280.2%
令和2年度
2020年
1,210  974  80.5%  
令和1年度
2019年
1,433  1,093  76.3%  
平成30年度
2018年
1,563  1,256  80.4%  
航空特殊無線技士の合格率と難易度

航空特殊無線技士と航空無線通信士の違い

航空分野の無線従事者資格には複数の種類がありますが、実務で比較されることが多い資格が航空特殊無線技士航空無線通信士です。どちらも航空無線通信に関係する国家資格ですが、操作できる無線設備の範囲や業務内容が大きく異なります

項目航空特殊無線技士航空無線通信士
資格区分無線従事者
(航空系資格)
無線従事者
(航空系資格)
主な用途小型航空機などの
航空無線通信
航空機と
地上局の
航空通信業務
操作
できる
無線設備
航空運送事業
以外の航空機に
設置された国内
通信用無線設備
航空局および
航空機局の
無線設備
航空交通
管制通信
操作不可操作可能
航空運送
事業の
通信
操作不可操作可能
主な
使用者
自家用パイロット
航空測量
航空撮影
航空報道など
航空会社
航空通信業務
航空無線通信
担当者
試験科目無線工学
法規
電気通信術
無線工学
法規
英語
電気通信術
試験の
難易度
無線資格の中では
比較的低い
航空系資格の
中では高い
航空特殊無線技士と航空無線通信士の違い

航空特殊無線技士は、航空運送事業以外の航空機における国内通信の無線設備操作を目的とした資格です。自家用航空機、ヘリコプター、航空測量、航空撮影などの航空業務で利用されることが多く、航空関連業務の入門的な無線資格として取得されることがあります。

一方、航空無線通信士は、航空機と地上局の航空通信業務を担当するための資格であり、航空会社や航空通信業務などで使用される資格です。航空交通管制通信や航空運送事業の通信にも関係するため、航空特殊無線技士よりも操作範囲が広く、試験科目も英語を含めて構成されています。

このように両資格は同じ航空分野の無線資格ですが、航空特殊無線技士は限定された航空無線操作資格、航空無線通信士は航空通信業務を担う専門資格という位置付けになっています。

試験問題の傾向|航空特殊無線技士

航空特殊無線技士の国家試験は、無線工学・法規・電気通信術の3科目で構成されています。出題範囲は航空無線通信に関する基礎的内容が中心であり、問題は毎回大きく変わるものではなく、過去に出題されたテーマが繰り返し出題される傾向があります。そのため、過去問を反復して学習することで出題形式や頻出テーマを把握しやすい試験です。

無線工学の出題傾向

無線工学では、航空機用無線設備の基礎知識と電波の基本原理に関する問題が中心となります。計算問題はほとんどなく、航空無線機の仕組みや電波の性質などを理解していれば対応できる内容が多く出題されています。主な出題テーマは次の通りです。

・電波の周波数・波長・電波の伝搬
・航空機用無線機の構成
・受信機・送信機の基本原理
・アンテナの種類と特性
・雑音や混信など通信障害

多くの問題は基礎知識を問う選択式問題であり、同一テーマの問題が過去問で繰り返し出題される傾向があります。

法規の出題傾向

法規では、電波法および無線局運用規則などの航空無線通信に関係する規定が出題されます。法律の条文そのものを問う問題よりも、航空無線通信の運用ルールや無線局の基本規定を理解しているかどうかを確認する問題が中心です。主な出題テーマは次の通りです。

・電波法の目的と基本規定
・無線局の免許制度
・無線従事者の義務
・無線通信の取扱い
・通信の優先順位

法規も出題パターンが比較的固定されているため、過去問を周回することで対応できる問題が多い科目です

電気通信術の出題傾向

電気通信術は航空無線通信の実技試験であり、フォネティックコードを用いた送信および受信が行われます。航空無線通信ではアルファベットを正確に伝えるためにフォネティックコードを使用するため、この読み方を確実に覚えておく必要があります。

主な試験内容は次の通りです。

・フォネティックコードによる英字送受信
・数字の読み方
・航空無線通信の基本的な通信手順

電気通信術は知識問題ではなく通信操作の試験であるため、実際に声に出して送受信の練習をしておくことが重要です。

出題傾向の特徴

航空特殊無線技士試験の問題には、次の特徴があります。

・出題範囲は航空無線の基礎知識が中心
・計算問題は少ない
・過去問と類似した問題が多い
・法規は基本規定の理解が重要
・電気通信術はフォネティックコード対策が重要

この試験は出題テーマが比較的固定されているため、過去問の反復学習によって出題傾向を把握することが合格への近道といえます。

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過去問|航空特殊無線技士

公式サイトに試験問題と解答というページがあります。https://www.nichimu.or.jp/kshiken/siken/index.html

現時点の自己の実力を良いのですが、しかし試験問題と解答を見るだけでは試験勉強になりません。解説文の熟読と問題反復することが重要で、下記の勉強方法を一例としてください。

過去問による独学の勉強方法|航空特殊無線技士

航空特殊無線技士の試験対策は、過去問の反復による独学が基本です。出題範囲は無線工学・法規ともに広くありませんが、出題パターンが比較的固定されているため、過去問を繰り返し解くことで短期間でも得点力を高めることができます。特に電気通信術はフォネティックコードによる送受信が中心となるため、暗記だけではなく声に出して練習することが重要です。

受験勉強期間を1~2週間程度とした場合、テキストを一度確認したうえで、次の方法で過去問を中心に学習を進めます。

・テキストを一度通読する(熟読ではなく全体把握)
・毎日1回~2回分の過去問を解く
・解答後すぐに自己採点を行う
・解説を読み、出題ポイントを理解する
・開始当初の得点が低くても気にしない
・間違えた問題は専用ノートに要点を書き出す
・過去問は1周で終わらせず、満点になるまで周回する
・通勤・通学・スキマ時間は電子書籍やスマートフォンで問題を確認する

過去問の周回を続け、安定して満点または高得点を維持できるようになった段階で、次のステップに進みます。

1.初見の過去問、または模擬問題を解き自己採点を行う。

2.試験の**合格基準(各科目の基準点)**に達しているかを正答率で確認する。

3.得点が不足している場合は、同じ方法で過去問の反復学習を継続する。

この試験では新しい理論問題よりも、既出テーマの出題が繰り返される傾向があります。そのため過去問を反復することで、出題形式・選択肢の特徴・頻出テーマを自然に覚えることができ、短期間でも合格基準に到達しやすくなります。また電気通信術は机上学習だけでは身につかないため、フォネティックコードの送受信を実際に声に出して練習しておくと本試験でも対応しやすくなります。

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