陸上無線技術士。1級・2級「一陸技」「二陸技」の過去問・合格率/難易度

国家資格

陸上無線技術士は、電波法第40条に定められる無線従事者の国家資格で、英語表記は Technical Radio Operator for On-The-Ground Services です。主として陸上の無線局に設置された無線設備の技術的操作および設備管理を行うことができる技術者資格であり、特に基幹放送局では必置資格として位置づけられています。

この資格は、総務大臣の指定試験機関である日本無線協会が国家試験を実施しています。試験区分は第一級陸上無線技術士第二級陸上無線技術士の2種類で、それぞれ通称として「一陸技」「二陸技」**と呼ばれています。

資格区分操作できる無線設備
第一級陸上
無線技術士
(一陸技)
放送局、電気通信業務用等の固定局、
無線測位局など、すべての無線局の
無線設備の技術的操作を行うことが
できます。
第二級陸上
無線技術士
(二陸技)
放送局や電気通信業務用固定局
などの無線設備の技術的操作を
行うことができますが、空中線電力
および周波数に制限があります。

第一級陸上無線技術士は、陸上無線設備に関する技術資格の中でも上位資格であり、放送局や電気通信業務用の無線設備などを含めた幅広い無線局の技術操作を担当できます。一方、第二級陸上無線技術士は取り扱うことができる空中線電力および周波数に制限が設けられています。

陸上無線技術士の活躍分野は民間・公的機関の双方に広がっています。主な勤務先としては次のような機関があります。

主な分野
放送テレビ・ラジオ放送局
通信電気通信事業者
行政機関国土交通省航空局、海上保安庁、
気象庁、警察庁など
公共通信防災無線、業務用無線設備

このように陸上無線技術士は、放送・通信インフラを支える技術資格として、民間企業と官公庁の双方で必要とされています。

国家試験は技術系資格として専門性が高く、電波工学・電子工学・通信工学などの知識が問われるため、難易度が高い試験として知られています。一方で、日本無線協会では試験問題と解答が公開されており、過去問を中心とした学習が試験対策の基本になります。

本記事では、陸上無線技術士(第一級・第二級)について、公式資料に基づき次の内容を整理します。

  • 試験制度の概要
  • 試験科目と出題構造
  • 合格率
  • 試験難易度
  • 過去問を使った勉強方法

これから一陸技・二陸技の受験を検討している方に向けて、国家試験の制度構造と試験対策を整理して以下解説します。

合格率と難易度/偏差値

第一級陸上無線技術士(一陸技)の合格率は20.7%から31.9%、第二級陸上無線技術士(二陸技)の合格率は27.4%から35.5%です。そして想定される国家試験の難易度は偏差値表示で第一級陸上無線技術士(一陸技)が66、第二級陸上無線技術士(二陸技)が63です。

合格率|第一級陸上無線技術士(一陸技)

一陸技受験者数合格者数合格率
2024年
令和6年度
5,9141,42024.0%
2023年
令和5年度
6,0951,26220.7%
2022年
令和4年度
6,9771,53622.0%
2021年
令和3年度
7,2921,84725.3%
2020年
令和2年度
5,4281,45626.8%
2019年
令和1年度
5,1621,64631.9%
2018年
平成30年度
4,8881,41729.0%
第一級陸上無線技術士(一陸技)の合格率

合格率|第二級陸上無線技術士(二陸技)

二陸技受験者数合格者数合格率
2024年
令和6年度
87624628.2%
2023年
令和5年度
89024427.4%
2022年
令和4年度
91126629.2%
2021年
令和3年度
94230532.4%
2020年
令和2年度
89629432.8%
2019年
令和1年度
1,11439535.5%
2018年
平成30年度
1,14033929.7%
第二級陸上無線技術士(二陸技)の合格率

試験制度の概要

陸上無線技術士(第一級・第二級)の国家試験は、総務大臣の指定試験機関である日本無線協会が実施しています。試験は毎年2回(7月期・1月期)実施され、申請受付は試験月の約2か月前に行われます。

以下は、制度構造を整理した試験概要です(令和7年度試験日程を基準に月区分で整理)。

申込みと

期間
年2回実施。
1月期試験は11月上旬~11月中旬
7月期試験は5月上旬~5月中旬に
申請受付
(試験月の前々月1日~20日頃)。
インターネット申請方式。
試験日年2回実施。
1月期:1月中旬~下旬の2日間
7月期:7月上旬~中旬の2日間
同一試験期内で第一級と
第二級を別日程で実施。
試験地札幌・仙台・東京・長野・
金沢・名古屋・大阪・広島・
松山・熊本・那覇 ほか
全国主要都市の試験地で実施。
受験資格制限なし
年齢・学歴・実務経験の条件なし
出題形式
時間

科目構成
内容
第一級、第二級:

第1日 多肢選択式筆記試験。
無線工学の基礎 25問:2時間30分
法規 20問:2時間

第2日 多肢選択式筆記試験。
無線工学A(25問)2時間30分
無線工学B(25問)2時間30分
合格基準・無線工学の基礎:
 125点満点中75点以上、
・無線工学A:
 125点満点中75点以上、
・無線工学B:
 125点満点中75点以上、
・法規:
 100点満点中60点以上。

すべての科目で基準点以上を
取得した場合に合格。
科目合格各科目ごとに合格基準が設定され、
基準点を満たした科目は科目合格
として扱われる。
免除科目
条件
科目合格者は次回以降の試験で
当該科目が免除される制度あり。
受験料第一級陸上無線技術士:16,500円
第二級陸上無線技術士:13,700円。
合格発表試験終了後、概ね約3週間後
日本無線協会が合格者を発表。
テキスト
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主催者公益財団法人 日本無線協会
https://www.nichimu.or.jp/
陸上無線技術士の試験概要

無線工学科目の特徴(第一級・第二級共通)

陸上無線技術士の試験科目は4科目ありますが、うち3科目が無線工学系です。
科目ごとに出題範囲と試験の性質が異なるため、受験者は科目別に学習戦略を立てる必要があります。

科目/問題数
試験時間
出題範囲の概要ポイント
無線工学の
基礎
25問
2時間30分
・電気回路
・電子回路
・基礎電磁気
・アナログ信号
 処理
全科目の基礎、
ここが
理解できないと
A・Bに影響
無線工学A
25問
2時間30分
・送受信機の構成
・変調方式
・中間周波
・フィルタ回路
送信機の動作原理
理解が重要、
回路図読解も必要
無線工学B
25問
2時間30分
・電波伝搬
・アンテナ
・放射
・受信系
・干渉
計算問題が多く、
過去問反復で
得点安定

陸上無線技術士の勉強方法。過去問で独学

資格の取得方法

資格をとるには」というページが公式サイトにあります。

・国家試験を受験する方法

・養成課程を受講する方法

・認定講習課程を受講する方法

以上3種の選択が提示されています。

費用と時間を考えれば国家試験の選択になりますが、そして誰もが「独学で合格できるか?」という疑問がありながらも、実際に独学で合格された方々も多数いらっしゃいます。

過去問による自己の実力判定

陸上無線技術士の合否判定は正答率による「絶対評価」を採用しています。

「相対評価」ではないので、自分以外の受験者が優秀かどうかは関係ありません。

合格基準である、工学の基礎:75点以上/125点/ 工学A:75点以上/125点/ 工学B:75点以上/125点/
法規:60点以上/100点を維持すれば合格です。

過去問反復による独学手順

試験経験があり、試験日まで計画的に学習を進められる方であれば、独学でも合格が可能です。

過去問の重要性は独学でも通信講座でも変わりません。多くの受験者は過去問の反復学習で合格を目指しています。

最短1カ月での受験勉強を目安とする場合、テキストに目を通したうえで、以下の手順で学習を進めます。

日々の学習方法

  • 毎日1回分または2回分の過去問を解く
  • 解答後に自己採点を行い、解説文を必ず熟読する
  • 開始当初の得点の低さは気にせず、間違いの内容を専用ノートに要点として書き出す
  • 過去問は1周で終わらせず、毎回満点が取れるまで周回する
  • 通勤・通学時間は電子書籍や音声教材を活用し、特に法規学習に役立てる

過去問周回後の実力確認

  1. 過去問の周回で常に満点を維持できるようになったら、初めて解く過去問や模擬問題集で採点を行います。
  2. 模擬試験問題で以下の基準をクリアできるか確認します。
    • 無線工学の基礎:125点満点中75点以上
    • 無線工学A:125点満点中75点以上
    • 無線工学B:125点満点中75点以上
    • 法規:100点満点中60点以上
  3. 基準に達しなければ、過去問の周回と模擬問題の採点を繰り返します。
  4. 最終的に、初見の模擬問題でも常に合格基準+αの点数が取れる状態になるまで継続します。

独学の過去問とテキスト

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過去1年間の国家試験の問題と解答を掲載しています。

試験問題と解答

※試験問題と解答を見て「勉強した」と貴方が思ったとすれば、それは間違いです。重要なポイントはここには無い解説文の完全理解にあります。

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