銀行業務検定試験「法務4級」は、銀行業務に携わるうえで必要となる法務の基礎知識を体系的に理解することを目的とした検定試験です。日常の金融取引や顧客対応の中で頻繁に関わる法律について、実務に即した形で学ぶことができます。
本試験では、民法、商法、会社法、手形・小切手法、担保・保証、コンプライアンスなど、銀行実務の土台となる基本的な法知識が出題されます。法律の専門知識を深く問うものではなく、「なぜその手続きが必要なのか」「どのような点に注意すべきか」といった、現場で役立つ理解を重視している点が特徴です。
法務4級は、銀行業務に初めて携わる方や若手行員、金融業界を目指す方にとって、法務分野の入門として最適な試験です。本試験の学習を通じて、法令遵守の意識を高め、適切で安全な金融サービスの提供につなげることが期待されます。
法務4級、公開一斉試験とCBTの概要
公開一斉試験
| 出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
|---|---|
| 科目構成 | 預金 16 問 融資 12 問 内国為替 8 問 銀行取引関連法 (民法/手形法・小切手法/電子 記録債権法等) 14 問 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上 (試験委員会にて最終決定) |
| 試験時間 | 90分 公開試験は試験開始後60分間, 終了前10分間は退席禁止 |
| 受験料 持込品 | <受験料> 4,950円(税込み) <持込品> 公開受験の場合は 受験票 HBの鉛筆 消しゴム |
CBT
| 試験名 | CBT法務4級 |
|---|---|
| 受験資格 | どなたでも受験可能 |
| 再受験 | 何回でも受験予約可能 |
| 出題形式 | CBT三答択一式50問 90分 |
| 科目 | 預金 16 問 融資 12 問 内国為替 8 問 銀行取引関連法 (民法/手形法・小切手法/電子 記録債権法等) 14 問 |
| 過去問 テキスト 参考書 | 法務4級 問題解説集 金融法務入門 (下にリンクあり) |
| 申込 | 4月下旬~翌年3月下旬 |
| 試験日 | 5月上旬~翌年3月下旬 |
| 会場 | 全国の共通会場にて実施 各会場ごとのスケジュールは 受験者マイページより確認。 |
| 受験料 申込方法 | <受験料> 4,950円(税込み) <個人申込> インターネット受付のみ 申込日より3日目以降の予約が可能 <団体申込> 経済法令研究会 CBT試験担当 電話:03-3267-4821までお問合せ。 |
| 受験票 | 受験票の発送はありません。 予約完了時の確認メールに 試験日程・会場のご案内あり |
| 当日について | 持ち物本人確認書類 ※電卓持ち込み不可、 計算は画面上にて利用可能です。 ※スマートフォン等不可 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上 |
| 合格発表 | 即時判定。 試験終了後に、全受験者に スコアレポート・ 出題項目一覧が配布されます。 受験日の翌日以降、 合格者はマイページから 合格証書をダウンロード。 ①こちらよりマイページにログイン ②【CBT申込】をクリック ③申し込んだ試験の【申込・受験履歴】 をクリック |
| 試験後の手続 | なし |
試験日程、試験日とCBTの申し込み
銀行業務検定試験の日程、試験日、試験時間は銀行業務検定協会の母体(株)経済法令研究会のサイトにて、常にアップデートされていますので、下記リンクより参照ください。
経済法令研究会より
株式会社CBT-Solutionsより
お問い合わせは
銀行業務検定協会
(経済法令研究会 検定試験運営センター)
〒162-8464 東京都新宿区市谷本村町3-21
電話 03-3267-4821
月~金(祝日除く)10:00~15:00
FAX 03-3267-4999
合格率と難易度

合格率と難易度
銀行業務検定、2017年10月から2025年10月において法務4級試験の合格率は60.15%から73.15%で試験の難易度は偏差値表示で40が目安です。
| 試験日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 (第162回) | 1,129 | 739 | 65.46% |
| 2024年10月 (第159回) | 1,327 | 920 | 69.33% |
| 2023年10月 (第156回) | 1,319 | 810 | 61.41% |
| 2022年10月 (第153回) | 1,706 | 1,248 | 73.15% |
| 2021年10月 (第150回) | 2,346 | 1,568 | 66.84% |
| 2020年10月 (第147回) | 2,131 | 1,352 | 63.44% |
| 2019年10月 (第144回) | 2,846 | 1,712 | 60.15% |
| 2018年10月 (第141回) | 3,335 | 2,151 | 64.50% |
| 2017年10月 (第138回) | 3,574 | 2,510 | 70.23% |
勉強時間

勉強時間
法務4級の学習時間の目安は、法律初学者でおおむね30~40時間程度です。銀行実務の経験がある場合や、過去に民法や金融実務に触れたことがある場合は、20~30時間程度でも対応可能です。
学習期間としては、1日1時間程度の学習を2~4週間継続する形が現実的です。特に法務4級は出題範囲が広く、暗記だけでなく用語や考え方の理解が求められるため、短期間で詰め込むよりも、継続的に学習時間を確保することが重要です。
勉強方法

勉強方法
勉強方法として市販教材を軸に学習を進めます。基本となる教材は「法務4級問題解説集」と「金融法務入門」の2冊です。
まず、金融法務入門を用いて全体像を把握します。預金、融資、内国為替、銀行取引関連法の各分野について、制度の目的や基本的なルールを理解することを重視します。この段階では細かい条文番号や例外事項にこだわらず、銀行実務と法律のつながりを意識して読み進めます。
次に、法務4級問題解説集に取り組みます。試験は、預金16問、融資12問、内国為替8問、銀行取引関連法14問という構成であり、特に預金分野と銀行取引関連法の比重が高いため、これらの分野は重点的に学習します。問題を解く際は、正解を覚えるだけでなく、なぜその選択肢が正しいのか、誤っている選択肢はどこが違うのかを確認します。
間違えた問題や理解が曖昧な分野については、再度金融法務入門に戻って該当箇所を読み直し、問題解説文の熟読で知識を補強します。この繰り返しにより、断片的な暗記ではなく、実務に即した理解が定着します。
試験直前期には、問題解説集を中心に演習量を増やし、出題形式や時間配分に慣れることが重要です。特に民法、手形法・小切手法、電子記録債権法などは用語が似ているため、比較しながら整理すると効果的です。
全体として、インプットとアウトプットをバランスよく行い、問題演習を通じて理解を深める学習方法が、法務4級対策として最も効率的です。
出題頻度が高い重要論点のチェックリスト

チェックリスト
以下は、法務4級で出題頻度が高い重要論点のチェックリストです。学習の進捗管理や直前確認に使えるよう、分野別にまとめています。
【預金分野】(16問)
☐ 普通預金・当座預金・定期預金の違い
☐ 預金契約の成立時期
☐ 名義預金の考え方
☐ 預金の払戻しと本人確認
☐ 代理人による払戻し
☐ 相続発生時の預金の取扱い
☐ 預金債権の差押え
☐ 口座振替の仕組みと法的関係
☐ 誤振込時の対応
☐ 休眠預金の基本的な考え方
【融資分野】(12問)
☐ 金銭消費貸借契約の成立要件
☐ 利息と遅延損害金の違い
☐ 連帯保証と保証の違い
☐ 保証人の権利(催告の抗弁権・検索の抗弁権)
☐ 根保証と極度額
☐ 担保の基本(人的担保と物的担保)
☐ 抵当権の基本構造
☐ 質権の特徴
☐ 債務不履行の種類
☐ 期限の利益と喪失
☐ 相殺の要件
☐ 債権譲渡の基本
【内国為替分野】(8問)
☐ 為替取引の基本構造
☐ 振込と送金の違い
☐ 為替予約の考え方
☐ 仕向銀行・被仕向銀行の役割
☐ 組戻しの要件と手続き
☐ 為替事故の種類
☐ 誤振込時の対応
☐ 内国為替と預金契約の関係
【銀行取引関連法】(14問)
〈民法〉
☐ 契約の成立要件
☐ 意思表示の瑕疵(錯誤・詐欺・強迫)
☐ 無効と取消しの違い
☐ 時効の基本(消滅時効)
☐ 連帯債務の考え方
〈手形法・小切手法〉
☐ 手形行為の独立性
☐ 振出・裏書・支払の基本
☐ 手形保証の特徴
☐ 手形・小切手の呈示期間
☐ 不渡りの基本的な意味
〈電子記録債権法〉
☐ 電子記録債権の特徴
☐ 電子記録の発生と譲渡
☐ 指名債権との違い
このチェックリストを使って、
・問題演習で間違えた論点
・説明できない項目
これらに印を付けて重点復習すると、効率よく得点力を高められます。
試験当日に見る用のA4・1枚要点まとめ

試験日に見る要点まとめ
以下は、試験当日に見る用のA4・1枚要点まとめです。直前確認に特化し、頻出ポイントと引っかかりやすい点だけを凝縮しています。
【試験全体のポイント】
・問題数が多いのは 預金(16問)と銀行取引関連法(14問)
・用語の定義と「誰に・いつ・どの効力が及ぶか」を問われやすい
・実務上の取扱いと法律効果の結び付きが重要
【預金】
・預金契約は銀行が受入れた時に成立
・普通預金はいつでも払戻し可能、定期預金は原則満期
・払戻しは名義人が原則、代理人は委任の有無を確認
・相続発生後、原則として単独相続人でも全額払戻し不可
・預金債権は差押え可能、差押え後は払戻し不可
・誤振込は原則として組戻し手続、受取人の同意が必要
・口座振替は預金者・収納企業・銀行の三者関係
【融資】
・金銭消費貸借契約は金銭交付で成立
・利息は使用の対価、遅延損害金は履行遅滞の制裁
・保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権あり
・連帯保証人には上記抗弁権なし
・根保証には極度額の定めが必要
・抵当権は不動産、質権は動産・債権が中心
・期限の利益喪失で一括返済請求可能
・相殺は対立する同種の債権が必要
【内国為替】
・振込は受取人口座入金、送金は現金交付
・仕向銀行と被仕向銀行の役割を区別
・組戻しは依頼人の請求+受取人の同意が原則
・誤振込でも銀行が一方的に取消すことは不可
・為替取引は預金契約を基礎とする
【銀行取引関連法】
〈民法〉
・契約は申込みと承諾で成立
・錯誤は重要なもののみ取消し可
・詐欺・強迫は取消し
・無効は初めから効力なし、取消しは遡及して無効
・消滅時効は権利行使可能時から進行
〈手形法・小切手法〉
・手形行為は独立して責任が発生
・裏書で権利移転
・呈示期間経過で遡求権喪失
・不渡りは信用問題に直結
〈電子記録債権法〉
・電子記録によって発生・移転
・譲渡は電子記録が効力要件
・指名債権より対抗要件が明確
【直前チェック】
・「原則」と「例外」を混同していないか
・保証と連帯保証を逆に覚えていないか
・誤振込・組戻しの可否を即答できるか
テキスト・過去問・問題集(PR)

問題集、参考書
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