銀行業務検定試験「法務3級」は、金融機関で働くうえで欠かせない法務の基礎知識を体系的に身につけることを目的とした資格です。取引の安全性を確保し、顧客対応や契約実務を適切に行うために必要となる、民法・商法・会社法をはじめとした基本的な法律知識が問われます。
試験では、金融取引の現場で実際に起こり得るケースを想定した問題が多く、単なる条文知識だけでなく、実務に即した判断力が求められます。そのため、法務部門だけでなく、営業担当者や融資担当者など、幅広い職種の行職員にとって有用な内容となっています。
法務3級は、法律を専門的に学んだ経験がない方でも取り組みやすいレベルに設定されており、銀行業務検定の中でも基礎的な位置づけの資格です。これから法務分野の知識を身につけたい方や、上位級を目指すための土台づくりとしても適しており、金融実務における法的リスクを理解する第一歩としておすすめの検定です。
試験概要
銀行業務検定試験「法務3級」は一斉試験(PBT)とCBTがあり、これは試験方式の違いであり、試験内容的には同じです。
公開一斉試験

一斉試験の概要
| 出題形式 | 五答択一式 50問(各2点) |
|---|---|
| 科目構成 | 預金 12 問 融資 16 問 内国為替 4 問 銀行取引関連法 (銀行法/民法/手形法・小切手 法/電子記録債権法等) 18 問 民法の基礎知識(行為能力や意思表示、 委任等)や顧客保護に関する法律知識 (消費者契約法や個人情報保護法等)、 銀行の業務に関する知識 (銀行法や付随業務)など、 銀行取引に関連する法律知識) |
| 合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
| 試験時間 | 120分 終了前10分間は退席禁止 |
| 持込品 | 受験票 HBの鉛筆 消しゴム |
CBT法務3級

CBTの概要
| 試験名 | CBT法務3級 |
|---|---|
| 受験資格 | 特に無し |
| 再受験規約 | 何回でも受験予約可能 |
| 出題形式 | CBT五答択一式50問 120分 |
| 科目構成 | 預金 12 問 融資 16 問 内国為替 4 問 銀行取引関連法 (銀行法/民法/手形法・ 小切手法/電子記録債権法等) 18 問 |
| 学習教材 | 公式テキスト法務3級 スタンダード営業店の金融法務 金融取引小六法 |
| 申込み | 4月下旬~翌年3月下旬 |
| 試験日 | 5月上旬~翌年3月下旬 |
| 会場 | 全国の共通会場にて実施 各会場ごとのスケジュールは 受験者マイページより確認。 |
| 申込方法 | <個人申込> インターネット受付のみ 申込日より3日目以降 (例:10日申込の場合13日以降)の 予約が可能 <団体申込> 経済法令研究会 CBT試験担当(03-3267-4821) までお問合せください。 |
| 受験票 | 受験票の発送はない。 予約完了時の確認メールに 試験日程・会場のご案内、 および注意事項あり。 |
| 当日について | 持ち物本人確認書類 スマートフォン等禁止 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上 |
| 結果発表 | 即時判定。 試験終了後に、全受験者に スコアレポート・出題項目 一覧が配布されます。 受験日の翌日以降、合格者は マイページから合格証書を ダウンロードください。 ①こちらよりマイページにログイン ②【CBT申込】をクリック ③申し込んだ試験の 【申込・受験履歴】をクリック |
| 試験後の 手続 | なし |
一斉試験日とCBTの申し込み

試験に申し込み
銀行業務検定試験の日程、試験日、試験時間は銀行業務検定協会の母体(株)経済法令研究会のサイトにて、常にアップデートされていますので、下記リンクより参照ください。
経済法令研究会より
株式会社CBT-Solutionsより
お問い合わせは
銀行業務検定協会
(経済法令研究会 検定試験運営センター)
〒162-8464 東京都新宿区市谷本村町3-21
電話 03-3267-4821
月~金(祝日除く)10:00~15:00
FAX 03-3267-4999
法務3級の合格率と難易度

合格率と難易度
銀行業務検定、2018年6月から2025年10月において法務3級の合格率は21.05%から42.51%で難易度は偏差値表示で48が目安です。試験の難易度は他の資格試験と比較したりもしますが、銀行(金融)で働いている、または金融業を目指す学生の方、それら受験者の方々の偏差値レベルから言えば、法務3級は簡単な試験と言えます。
| 試験日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 第162回 | 4,446 | 1,415 | 31.83% |
| 2025年6月 (第161回) | 3,911 | 1,112 | 28.43% |
| 2024年10月 (第159回) | 5,016 | 1,635 | 32.60% |
| 2024年6月 (第158回) | 4,696 | 1,868 | 39.78% |
| 2023年10月 (第156回) | 5,829 | 1,241 | 21.29% |
| 2023年6月 (第155回) | 5,171 | 1,693 | 32.74% |
| 2022年10月 (第153回) | 7,444 | 1,995 | 26.80% |
| 2022年6月 (第152回) | 7,255 | 3,084 | 42.51% |
| 2021年10月 (第150回) | 10,644 | 2,241 | 21.05% |
| 2021年6月 (第149回) | 9,562 | 2,865 | 29.96% |
| 2021年3月 (第148回) | 9,321 | 2,996 | 32.14% |
| 2020年10月 (第147回) | 15,958 | 5,874 | 36.81% |
| 2019年10月 (第144回) | 19,252 | 6,255 | 32.33% |
| 2019年6月 (第143回) | 15,583 | 4,219 | 27.07% |
| 2018年10月 (第141回) | 23,107 | 7,683 | 33.25% |
| 2018年6月 (第140回) | 19,457 | 6,807 | 33.32% |
勉強時間

勉強時間
法務3級の標準的な勉強時間は、25時間〜35時間程度が目安です。法律の学習経験がほとんどない場合でも、1日30分〜1時間の学習を2〜3週間程度続ければ、十分に合格を狙える水準です。
すでに銀行業務や契約実務に携わっている方であれば、過去問中心の学習により15時間前後でも対応可能なケースがあります。
勉強方法

勉強方法
指定の学習教材は、公式テキスト法務3級、法務3級 問題解説集、法務3級 直前整理70、スタンダード営業店の金融法務、金融取引小六法です。すべてを精読する必要はなく、役割を分けて使うことが効率的です。
最初の段階では、公式テキスト法務3級を使って全体像を把握します。預金、融資、内国為替、銀行取引関連法の各分野について、細かな条文暗記よりも、取引の流れや法的な考え方を理解することを意識します。特に、融資と銀行取引関連法は後の問題演習で得点源になるため、丁寧に読み進めます。
次に、法務3級 問題解説集に取り組みます。ここが学習の中心となります。出題配分を意識し、預金12問、融資16問、内国為替4問、銀行取引関連法18問という比重を踏まえて、融資と銀行取引関連法に多くの時間を割きます。間違えた問題は解説を読み、なぜその選択肢が正解・不正解になるのかを確認します。
理解が不十分な論点については、スタンダード営業店の金融法務を参照し、実務的な背景や考え方を補強します。条文の趣旨や現場での取り扱いを理解することで、応用的な問題にも対応しやすくなります。
試験直前期には、法務3級 直前整理70を活用します。重要論点が整理されているため、知識の抜け漏れ確認と最終調整に適しています。短時間で全範囲を見直せるため、試験直前の数日間に繰り返し確認すると効果的です。
金融取引小六法は、学習初期から通読する必要はありません。問題演習やテキスト学習の中で、条文の確認が必要な場面に限定して使用すると十分です。条文番号や細かな文言を暗記するよりも、どの法律がどの取引に関係するのかを把握することが重要です。
法務3級は、指定教材を使った反復学習と、出題配分を意識した重点対策が合格への近道です。特に融資分野と銀行取引関連法を確実に得点できるように仕上げることで、安定した合格ラインに到達しやすくなります。
勉強結果のチェツクリスト

チェックリスト
以下は、銀行業務検定「法務3級」における出題頻度が高い重要論点チェックリストです。
出題配分に沿って分野別に整理し、チェックボックス形式でまとめています。
――――――――――
【預金(12問)】
――――――――――
□ 預金取引の基本構造と当事者関係
□ 普通預金・当座預金・定期預金の法的性質
□ 預金者の権利と銀行の義務
□ 預金の払戻しと本人確認の考え方
□ 代理人による預金取引
□ 相続発生時の預金の取扱い
□ 預金債権の差押え・仮差押え
□ 預金の相殺とその要件
□ 口座名義人と実質的帰属の考え方
□ 休眠預金の基本的な取扱い
――――――――――
【融資(管理・回収を含む)(16問)】
――――――――――
□ 金銭消費貸借契約の基本構造
□ 融資契約における約定書・金銭消費貸借証書の役割
□ 利息・遅延損害金の考え方
□ 期限の利益と喪失条項
□ 保証と連帯保証の違い
□ 保証人保護に関する民法の規定
□ 根保証契約の要件と制限
□ 抵当権の基本構造
□ 質権・譲渡担保の概要
□ 担保権の実行と回収の流れ
□ 債権譲渡の対抗要件
□ 相殺による回収の可否
□ 債務不履行時の法的対応
□ 代位弁済の効果
□ 時効の完成と更新・中断
□ 倒産時の融資債権の取扱い
――――――――――
【内国為替(4問)】
――――――――――
□ 内国為替取引の基本構造
□ 振込・送金・代金取立の違い
□ 為替取引における当事者関係
□ 組戻しの可否と手続
□ 誤振込時の基本的対応
□ 為替事故と銀行の責任範囲
――――――――――
【銀行取引関連法(18問)】
――――――――――
□ 銀行法の目的と銀行業の定義
□ 銀行の業務範囲と付随業務
□ 守秘義務と情報提供の例外
□ 民法における意思表示の基本
□ 代理制度の基本構造
□ 無権代理と表見代理
□ 時効の基本構造
□ 消滅時効と更新・完成猶予
□ 手形の基本構造と当事者
□ 約束手形と為替手形の違い
□ 手形行為と遡求権
□ 小切手の基本構造
□ 不渡りの法的意味
□ 電子記録債権の仕組み
□ 電子記録債権の発生と譲渡
□ 電子記録債権の消滅
□ 金融取引における善意・悪意の考え方
□ 判例を踏まえた銀行実務上の留意点
試験対策としては、まずこのチェックリストで論点を一通り確認し、チェックが付かない項目を中心に「公式テキスト」「問題解説集」「直前整理70」で補強していく方法が効果的です。
特に、融資分野と銀行取引関連法は得点への影響が大きいため、全項目にチェックが入る状態を目標に仕上げてください。
試験当日に見る A4・1枚要点まとめ

試験日に見る、まとめ。
以下は、銀行業務検定「法務3級」の試験当日に直前確認するための要点まとめです。
知識の最終確認用として、出題配分と頻出論点に絞って整理しています。
――――――――――
【試験全体のポイント】
――――――――――
・全50問
・配点が大きいのは「融資(16問)」と「銀行取引関連法(18問)」
・条文暗記よりも、取引構造と結論の理由を押さえる
・迷ったら「銀行実務として不自然でないか」で判断
――――――――――
【預金(12問)】
――――――――――
・預金は銀行に対する金銭債権
・払戻しは原則として名義人本人
・代理人取引は代理権の有無が最重要
・相続発生後は相続人全員の関与が原則
・預金債権は差押え・相殺の対象となる
・名義と実質帰属が異なる場合は実質を重視
――――――――――
【融資(管理・回収を含む)(16問)】
――――――――――
・金銭消費貸借契約が基本
・期限の利益喪失条項は回収の起点
・保証と連帯保証は責任の重さが異なる
・個人保証は民法上の保護規定に注意
・根保証は極度額の定めが必須
・抵当権は登記が対抗要件
・代位弁済により保証人は債権者の地位を取得
・相殺は要件を満たす場合のみ可能
・時効は完成だけでなく更新・完成猶予も確認
――――――――――
【内国為替(4問)】
――――――――――
・振込・送金・代金取立の違いを区別
・誤振込は原則として組戻しには相手方の同意が必要
・為替取引は複数当事者が関与
・銀行の責任範囲は限定的
――――――――――
【銀行取引関連法(18問)】
――――――――――
・銀行法は業務範囲と健全性確保が目的
・守秘義務が原則、例外は限定列挙
・意思表示は到達主義
・代理は本人帰属が原則
・無権代理と表見代理の違いを整理
・消滅時効は期間と起算点が重要
・手形は文言通りに効力判断
・約束手形と為替手形の構造の違い
・不渡りは信用失墜につながる
・電子記録債権は記録が効力発生要件
――――――――――
【最後の確認ポイント】
――――――――――
・保証・根保証・時効・代理は必ず再確認
・「誰が・誰に・どんな権利義務を負うか」を意識
・条文より結論と理由を思い出す
・時間が足りなければ融資と銀行取引関連法を優先
この要点を試験直前に一通り確認できれば、知識の抜け漏れを最小限に抑えた状態で本試験に臨めます。
テキスト・過去問・問題集・講座(PR)

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